Scope3 カテゴリ6~8,14,15を徹底解説 !各カテゴリの概要と排出量算定方法をわかりやすく紹介

温室効果ガスの算定において、Scope3に挑戦する企業が増えています。

Scope3の算定を行うにあたって、相談を受ける中そこで多いのがScope3の15のカテゴリーの外枠を把握したいというニーズです。

算定担当者の方は、コンサル、ツールを検討するのに上長や経営陣に説明を求められたり、算定のためのデータを収集するのに他の部署へ説明する必要があったりする中、ある程度Scope3の概要を理解しておくことが必要になります。

▼参考:Scope3とは?最新情報と環境への影響と企業の取り組み

カテゴリ1~5とカテゴリ9~13については、こちらで解説しております。

▼参考: Scope 3カテゴリ1〜5を徹底解説!各カテゴリの概要と排出量算定方法をわかりやすく紹介

▼参考:Scope3 カテゴリ9~13について徹底解説!各カテゴリの概要と排出量算定方法をわかりやすく紹介

本記事では、上長や社内の関係者へ説明できる水準でScope3の各カテゴリ(この記事ではカテゴリ6~8,14,15)について説明していきます。


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目次

カテゴリ6 出張


カテゴリ6出張は、従業員の出張に伴う温室効果ガスを算定する項目です。

出張で使う交通機関や宿泊に伴う温室効果ガスの排出について算定してきますが、出張の距離で算定する方法や、使用燃料に基づく算定、交通機関で発生した金額での算定、従業員数や出張日数に基づく算定など算定の種類が豊富にあります。

算定のサポートをする中では、交通費支給額に基づく算定を行なわれている企業が多いです。交通手段毎に原単位があり、旅客航空機(国内線)ですと0.00525kgCO2/円という原単位があります。

例えば、飛行機での国内出張に100万円使っている場合は、

1,000,000×0.00525=5.250t-CO₂e

という形で算定していきます。

よくあるのが、経理部で交通費を飛行機と鉄道で分けていないケースです。そういった場合仕分けが必要になり一定作業工数がかかりますが、データのとり方を仕組み化して次回からは算定がスムーズにしていくのも大事です。

▼参考:Scope3カテゴリ6-従業員の出張について具体的に解説

カテゴリ7 雇用者の出勤


雇用者の出勤は、従業員の出勤時に発生している温室効果ガスになります。

こちらも距離や従業員数・勤務日数に基づいた算定などいくつか算定の種類がありますが、こちらも金額で算定される企業が多いです。

相談を受けるときに少し難しいのが、車通勤を認めている会社で交通費をガソリン代補助金という形の定額で支給している企業は算定で悩まれるケースがあります。

従業員の車種の燃費を教えてもらい、会社と自宅の距離を測りみたいな形で出される企業もありますが、ガソリン代補助金をガソリン代で割り、おおよその使用燃料を算出して算定されるケースが多いです。

▼参考:Scope3カテゴリ7-雇用者の通勤における温室効果ガスの排出量算定について具体的に解説

カテゴリ8 リース資産(上流)


カテゴリ8はリース資産(上流)ということで、自社が賃借しているリース資産の操業に伴う温室効果ガスの排出になります。

例えば、コピー機はリースなのでここで算定しないといけないかというと、オフィス全体の電力としてScope2に入っているケースがほとんどですので、わざわざScope2と分けて算定は行なわないで良いということに環境省のガイドラインでも紹介されておりリース資産(上流)を出している企業は非常に稀です。

企業によって、倉庫の一部をリースしている場合などは、借りている部分の面積から算定していきます。

▼参考:Scope3カテゴリ8-自社が賃借しているリース資産について具体的に解説

カテゴリ14 フランチャイズ


こちらは、フランチャイズ事業を行っている企業が、フランチャイズ加盟者における排出を算定する項目です。

フランチャイズ加盟店のScope1,2が該当し、聞き取りを行った上で計上したり、代表的な規模単位で店舗単位の排出量を策定し、そちらを用いて算定したりします。
当然、フランチャイズ事業を行なっていない企業には関係のない項目となります。

▼参考:Scope3カテゴリ14:フランチャイズについて具体的に解説

カテゴリ15 投資


カテゴリ15は、投資(株式投資、債券投信、プロジェクトファイナンス)の運用に関連する排出量を算定する項目です。

投資先別の投資額、出資比率から算定を行います。

例えば、30%出資している投資先のScope1,2が合計で、30,000t-CO₂eだったとすれば、

30,000×0.3=9,000t-CO₂e

と算定します。

投資先がScope1,2を出していない場合もありますので、そういった時は、投資先のScope1,2を推定して算定している企業もあります。

▼参考:Scope3カテゴリ15- 投資、投資(株式投資、債券投信、プロジェクトファイナンス)の算定

まとめ


カテゴリ6,7については、従業員の交通についてのデータが必要になってきますが、詳細にやろうとすると労力がかなりかかるケースが多いです。全体感を見て、Scope3の算定においてどのカテゴリが自社にとって重要かを認識した上で適切な工数をかけていくのがおすすめです。

Scope3の温室効果ガスの算定を検討されている方は、是非一度目を通して、どういったことを行なうかの参考にしていたければと思います。

出典)環境省 サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベース(Ver.3.4)

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