中小企業の印刷会社が取り組むべき脱炭素戦略|補助金・再エネ・成功事例付き

「脱炭素は大企業だけの話で、中小の印刷会社には関係ない」──そう思われがちですが、実はその常識が大きく変わりつつあります。
パリ協定や日本政府の2050年カーボンニュートラル宣言を背景に、エネルギー政策や金融機関の融資方針、大手企業の調達条件までが「温室効果ガス削減」を前提に動き始めました。
印刷業界も例外ではなく、日本印刷産業連合会(JFPI)は2030年までにCO₂排出量を55.7%削減するという明確な目標を掲げています。
もはや「環境対応は任意」ではなく、事業継続や競争力に直結する“経営課題”となっているのです。
では、なぜ中小の印刷会社が今すぐ脱炭素に取り組む必要があるのでしょうか。
その理由は三つあります。
第一に、取引先からの要請に応えられなければ受注を失うリスクが高まっていること。
第二に、炭素税やカーボンプライシングの強化によって、未対応企業はコスト増に直面しかねないこと。
第三に、金融機関や人材市場から「環境に消極的な会社」と見られ、資金調達や採用で不利になる可能性があることです。
一方で、早期に取り組んだ企業は着実に成果を得ています。
LED-UVやEMS導入によるエネルギーコスト削減、再エネ契約による大手企業からの信頼獲得、さらには補助金・低利融資の優遇といった形で、脱炭素は“守り”ではなく“攻めの戦略”として機能しています。
社員のモチベーション向上やブランド価値の強化にもつながり、企業成長の好循環を生み出しているのです。
この記事では、印刷業界における最新の脱炭素動向、業界団体のビジョン、現場で進む具体的な取り組み、そして中小企業が実践できるステップや補助金制度までを解説します。
読み終える頃には「自社でも取り組める脱炭素経営の道筋」が見え、未来に向けて動き出す第一歩を踏み出せるはずです。

1. はじめに|なぜ今、印刷会社も脱炭素なのか?
グローバルの潮流と日本の目標
地球温暖化の抑制に向けて、世界は大きく動いています。
2015年に採択されたパリ協定では、産業革命前からの気温上昇を1.5℃以内に抑えることが目標とされました。
これを受け、日本政府も2020年に「2050年カーボンニュートラル」を宣言し、2021年には2030年までに温室効果ガスを2013年比で46%削減という中間目標を掲げました。
この動きは絵に描いた餅ではなく、すでにエネルギー政策、金融機関の融資方針、大手企業の調達戦略などに反映され始めています。つまり、「脱炭素への対応」は事業の前提条件になりつつあります。
参考)【2025年最新】カーボンニュートラルとは?現状と今後のトレンド
印刷業界にも迫る変化の波
もちろん、印刷業界も例外ではありません。
日本印刷産業連合会(JFPI)は2022年、「2050年カーボンニュートラル宣言」を公表し、2030年までにCO₂排出量を2013年比で55.7%削減する目標を打ち出しました。
これは業界として明確な意思をもって脱炭素化に舵を切った証です。
「紙の需要が減っていくから、自然とCO₂も減るのでは?」と思う方もいるかもしれません。
しかし業界は市場任せではなく、LED-UVやEMSの導入、再エネ電力の調達など、能動的な取り組みをすでに始めています。


出典:JFPI 印刷産業「2050年カーボンニュートラルの実現に向けて」
脱炭素に取り組まないことで生じるリスク
もしこの流れに乗り遅れた場合、何が起こるでしょうか?
- 取引先からの要請に応えられず、受注を失う
たとえば、大日本印刷は主要サプライヤーに対してSBT目標(科学的根拠に基づく削減目標)の設定を要請しています。
Appleやトヨタも再エネ調達を求める姿勢を強めており、今後は中小印刷会社にも同様の要請が届く可能性があります。
- 将来的な炭素税などによるコスト増
日本政府はすでに「地球温暖化対策税」を導入済み。
今後さらにCO₂排出量に応じた課税強化(カーボンプライシング)が予想され、未対応企業はコスト競争力を失いかねません。
▼参考:日本の炭素税 – 現在の税率289円と2028年以降に起こる制度拡充の展望
- 資金調達や採用での不利
金融機関は脱炭素経営に積極的な企業を評価する傾向が強まっており、環境対応の有無が融資条件に影響する時代が来ています。
また、環境意識の高い若手人材からは「環境に無関心な企業」と見られるリスクも無視できません。
「攻めの脱炭素」で得られるチャンス
一方、脱炭素にいち早く取り組んだ企業は、次のようなメリットを手にしています。
- エネルギーコストの削減:LED照明や高効率印刷機への更新で、光熱費の大幅削減に成功した企業もあります。
- 新規取引の拡大:SBT対応や再エネ導入によって、大手企業からの信頼を獲得し、商談獲得に直結した事例も増えています。
- 融資や補助金の獲得が有利に:脱炭素に取り組む企業は、補助金や低利融資の申請においても優遇されることが多く、設備投資のハードルが下がる傾向にあります。
- ブランド価値・社員のやる気向上:環境貢献は会社のイメージを高め、社員の誇りやモチベーションにもつながります。
出典:
環境省「脱炭素成長型経済構造移行推進戦略(GX実現に向けた基本方針)」
JFPI「印刷産業の2050年カーボンニュートラル宣言」
2. 業界全体の動向|印刷業界が進める脱炭素の取り組み
印刷業界は今、これまでの“受け身の環境対応”から、“攻めの脱炭素戦略”へと大きく舵を切っています。
脱炭素は決して一部の先進企業だけのテーマではなく、業界全体として具体的なビジョンと数値目標を掲げ、次の10年を見据えた動きを強めています。
業界団体による宣言と具体目標
印刷業界の中核団体である日本印刷産業連合会(JFPI)は、2022年3月に「2050年カーボンニュートラル宣言」を発表しました。
この中で、以下のような明確な数値目標が掲げられています。
項目 | 2013年度基準 | 2030年度目標 | 削減率 |
CO₂排出量 | 146.7万トン | 65万トン | ▲55.7% |
エネルギー原単位 | 21.6kl/億円 | 15.9kl/億円 | ▲26.5% |
※CO₂排出量は「変動係数基準」での目標。毎年1%以上の改善を想定。
この目標は、単に環境保護のためだけではなく、印刷業の将来競争力を維持・強化する戦略的判断として設定されたものです。
「3つの柱」で業界が取り組む方向性
JFPIのカーボンニュートラルビジョンでは、以下の3つが中核方針として掲げられています。
① エネルギー起因の排出極小化
- LED-UV乾燥機、高効率印刷機への更新
- 空調・照明・ボイラーの高効率化
- 再生可能エネルギー(再エネ)電力の導入
- 太陽光発電設備の自社設置やPPAモデル活用
② プロセス・構造の転換
- 印刷ロス削減、ジョブシェアリングによる稼働最適化
- デジタル印刷やオンデマンド印刷への移行
- データ活用による省エネ制御(EMSの導入など)
- 広域連携による生産・物流の効率化
③ 印刷技術を活用した地域貢献
- 地場の企業や自治体とのコラボレーションによる脱炭素支援
- グリーンプリンティング(GP)認定制度の普及
- 環境配慮型資材の提案、啓発活動
この3本柱は、単なるエネルギー対策にとどまらず、業界全体の構造改革を視野に入れた包括的なアプローチです。
現場で進む「見える」脱炭素の取り組み
印刷会社が実際に導入を進めている脱炭素化対策には、次のような具体例があります。
- LED-UVの導入
乾燥工程に必要なエネルギーが大幅に削減され、従来比で約60%の電力削減も報告されています。 - EMS(エネルギーマネジメントシステム) 工場単位の電力・空調使用量の見える化を行い、無駄なエネルギーの即時削減が可能に。
- 現像レスCTP(Computer To Plate) 薬品や水を使わないプレート作成方式で、環境負荷とコストを同時に削減。
- 再エネメニューへの切り替え(例:再エネ100%契約) 大川印刷のように自家発電+再エネ調達を組み合わせるモデルも浸透しつつあります。
- 印刷資材の見直し(環境対応インキ・紙) 植物由来のバイオインキやFSC認証紙、脱プラ包装資材の活用も加速。
参考)
電気料金はこうして抑える!電力会社の比較ポイントと脱炭素経営への活用法
地球温暖化の歴史 | 2050年ネットゼロ目標への道のり
グリーンプリンティング(GP)認定制度の役割
「グリーンプリンティング(GP)認定制度」は、印刷工場・印刷製品における環境配慮を可視化する制度で、SDGs目標12「持続可能な消費と生産」にもつながるものです。

GP認定の対象は以下の通りです。
- 工程:企画、印刷、製本、出荷までの全プロセス
- 印刷方式:オフセット印刷/デジタル印刷の両方に対応
- 資材:用紙・インキ・製本材料・表面加工材などを網羅
ただし、GP認定=CO₂削減量を示すわけではなく、今後は環境配慮の「見える化」と「数値化」の連携が求められます。

出典:
JPMA「環境に優しい印刷産業機械の開発及び 普及・促進に関する調査研究報告書」
JFPI「グリーンプリンティング認定制度概要」、GP認定工場一覧より
3. 成功事例に学ぶ|印刷会社の脱炭素経営
「脱炭素なんて、うちみたいな会社には無理だよ」
そう思っている方にこそ知っていただきたいのが、中小企業だからこそ実現できた脱炭素経営の成功例です。
ここでは、印刷業界における具体的な取り組みと成果を、リアルな数値とともにご紹介します。
計画策定から第一歩を踏み出す|株式会社ドミックスコーポレーション(福岡県)
「脱炭素に取り組まなければ」と思いながらも、何から始めればいいか分からない。そんな状況からスタートしたのが、福岡市のドミックスコーポレーションです。
同社は、製版・印刷・製本・Web制作まで一貫して手掛ける企業で、まずはGHG排出量の見える化と削減計画の策定から着手しました。
この事例は、「いきなり再エネ導入やSBT認定はハードルが高い」と感じる中小企業にとって、現実的かつ再現性の高いスタートモデルとなります。

カーボンオフセット印刷で環境価値を提供|スキット株式会社(福井県)
福井県のスキット株式会社は、現像レスCTPを活用し、製版工程のCO₂排出削減を実現。
さらに、自社で排出するCO₂をカーボンクレジットで相殺するカーボンオフセット印刷にいち早く取り組んでいます。
実績:
- 2021年:38,491kgのCO₂削減
- 2022年:75,244kgのCO₂削減

取引先への環境貢献を“見える形”で提供できることから、新たな受注獲得ツールとしても注目されています。
顧客と一緒にCO₂削減を推進|ヨシダ印刷株式会社(石川県)
ヨシダ印刷株式会社では、水なし印刷やデジタル印刷を活用し、CO₂排出を最小限に抑える取り組みを実施。
さらに、削減しきれない分は顧客がカーボンクレジットを購入する参加型オフセットプログラムを提供しています。
この取り組みは、印刷会社と顧客が共に脱炭素を実現する仕組みとして、他社との差別化にもつながっています。

脱炭素が新たな製品価値になる|コニカミノルタジャパン
中小企業ではありませんが、参考になるのがコニカミノルタジャパンの事例です。
同社の「CO₂実質ゼロ印刷機」は、印刷物に自動でどんぐりマーク(環境配慮ラベル)を印字する仕組みを搭載しており、ユーザー自身も脱炭素活動に自然に参加できます。
印刷機の選定ひとつでも、環境価値を“伝える力”に変える時代です。

事例から見える「共通のポイント」
これらの事例から見えてくる、中小印刷会社が脱炭素を成功させるための共通点は以下の通りです。
- 最初の一歩は「排出量の見える化」から
- 補助金や診断制度をうまく活用して設備投資を実現
- 環境対応を営業ツールに変える発想
- 社員の巻き込みや社内浸透も重視
どの企業も、できる範囲から確実に前進し、成果を積み重ねているのが印象的です。
出典:
令和5年度 福岡市中小企業における脱炭素経営サポート事業取組事例集
スキット株式会社HPより
ヨシダ印刷株式会社HPより
コニカミノルタジャパンHPより
4. 脱炭素経営の始め方|実践ロードマップ(印刷業向け)
「うちにもできる取り組みはあるだろうか?」
そう感じた経営者の方へ。ここでは、印刷業界の中小企業が無理なく始められる脱炭素経営の4つのステップを、具体的なツールや補助金情報とともにご紹介します。
ステップ1|現状把握と排出量の“見える化”から始める
まず最初にやるべきは、自社のエネルギー使用やCO₂排出量を正しく把握することです。どれだけ排出しているか分からなければ、何を削減すべきかも分かりません。
使えるツール・制度:
- 資源エネルギー庁 「省エネ診断の比較」
→工場や事業所のエネルギー使用状況に応じて、複数の診断メニューを比較できる資料。空調・照明・印刷機器など、対象設備や診断の深さに応じた選び方が可能です。 - 環境省「中小企業向け脱炭素経営ハンドブック」 →Scope1,2の簡易チェックリストあり。
印刷業で着目すべき点:
- オフセット印刷機や乾燥機の電力消費
- 現像処理設備の稼働時間
- プレートやインキなどの消耗品のロス率
まずは、「電力使用量を月別に出す」だけでも立派な第一歩です。
ステップ2|運用改善と省エネ設備への更新
現状を把握したら、次に取り組むのがエネルギーの無駄をなくすこと。初期投資ゼロでできる運用改善から始め、補助金を活用した設備更新へつなげていきましょう。
すぐできる運用改善例:
- 空調の温度設定を見直す(夏28℃・冬20℃など)
- 休止時の印刷機・PC・コンプレッサーをこまめに電源オフ
- ジョブのまとめ印刷・夜間稼働の削減で機会ロスの削減
印刷業向けの省エネ設備例:
- LED-UV乾燥機:従来より電力消費最大60%削減
- 高効率オフセット印刷機:少部数印刷・印刷ミス削減に効果
- 現像レスCTP:水・薬品の使用ゼロ、環境負荷を大幅低減
活用できる補助金:
- 経産省「省エネ補助金」:中小企業枠あり、最大補助率2/3
- 環境省「SHIFT事業」:最大5,000万円、再エネ・高効率設備に対応
ステップ3|再生可能エネルギーを導入する
削減しきれないCO₂を減らすには、再エネ電力の導入が有効です。屋根に太陽光を載せるだけが再エネ導入ではありません。今では、初期費用ゼロで再エネに切り替える方法もあります。
選べる再エネ導入方法:
- 再エネ100%電力プランへの切替(東京電力やLooopなどが提供)
→契約変更のみで導入可能、CO₂排出係数を実質ゼロにできる - 第三者所有モデル(PPA)での太陽光設置 →初期投資ゼロ、屋根貸し+電力契約で再エネ調達
参考)再エネ導入を考える企業必見|再生可能エネルギーの種類・導入方法・成功事例
ステップ4|サプライチェーンや製品での貢献を進める
最後のステップは、社外との連携や自社製品の強化です。今や大手取引先からの「サプライチェーン 脱炭素」要請は珍しくありません。受け身になるのではなく、先に動いて信頼を得ることが、営業力強化にもつながります。
できることの例:
- GP認定工場の取得
→グリーンプリンティング認定は営業活動にも活用しやすい「脱炭素の証」 - カーボンオフセット印刷の導入
→スキット社、ヨシダ印刷社のように顧客とCO₂削減を共有できる - 環境配慮型用紙・インキの選定提案 →FSC認証紙・バイオマスインキなど
5. 支援制度は使い倒せる|印刷業界に使える脱炭素関連補助金・制度
「うちには予算も人手もないから、脱炭素なんてムリ」
そんな声に、今こそ伝えたいのが各種支援制度の充実です。
国や自治体は、脱炭素に取り組む中小企業を強力に後押ししており、印刷業でも十分に活用可能な内容が揃っています。
ここでは、印刷業界の実情に合った補助金・制度を中心に、すぐに使える情報をピックアップしました。
中小企業向けの主要補助金(国)
■ 省エネ補助金(経済産業省)
正式名称:省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金
- 対象:LED-UV乾燥装置、高効率印刷機、コンプレッサー、EMSなど
- 補助率:中小企業は最大2/3(事業内容により異なる)
- 上限:工場・事業場単位で最大15億円/年(中小企業枠あり)
- 特徴:印刷機器・照明・空調・制御システムなど幅広く対象
✅ ポイント:中小企業向け枠は要件が緩和されており、ハードルが低い!
出典:資源エネルギー庁「省エネポータルサイト」
参考)中小企業のための脱炭素経営入門|6つのステップで始める取り組み
■ SHIFT事業(環境省)
正式名称:工場・事業場における先導的な脱炭素化取組推進事業
- 対象:再エネ導入、高効率機器更新、電化・燃転への設備転換
- 補助率:中小企業は最大1/2
- 上限:5,000万円
- 必須要件:CO₂削減計画の策定(支援ツールあり)
✅ ポイント:現像レスCTPや太陽光発電などの導入に有効。
■ 中小企業投資促進税制
- 内容:印刷機、太陽光発電、ソフトウェア等の購入時に30%特別償却 or 7%税額控除
- 対象者:資本金1億円以下、青色申告の中小企業等
✅ ポイント:補助金と組み合わせて使うことで、初期投資負担をさらに軽減できます。
無料で使える支援制度
■ 省エネ診断(資源エネルギー庁・地方自治体)
- 内容:専門家が印刷工場を訪問し、電気・空調・設備のエネルギー使用を分析
- 費用:無料(または低負担)
- 対象設備例:印刷機、空調、照明、コンプレッサー、乾燥機など
✅ ポイント:診断結果は補助金申請時の資料としても使える。
地方自治体の支援制度も見逃せない(例:埼玉県・戸田市)
■ スマートCO₂排出削減設備導入事業(埼玉県)
- 補助率:1/2
- 上限:1,000万円
- 対象:年間CO₂削減量3トン以上の省エネ設備(EMS含む)
■ 戸田市ゼロカーボン推進補助金
- 対象:事業所の再エネ設備、省エネ設備(例:エアコン、照明、太陽光など)
- 上限:設備ごとに異なる(例:太陽光5万円、エアコン2万円)
✅ ポイント:地方自治体の制度は、オンライン申請が不要だったり、小規模投資にも対応していたりと中小企業向けの設計になっている場合が多いです。
出典:2025年度(令和7年度)戸田市ゼロカーボン推進補助金制度について
補助金を確実に活かすための実践アドバイス
アクション | やること |
情報収集 | 国・自治体の公式ページや「Jグランツ(電子申請)」を定期的にチェック |
事前準備 | エネルギー使用量の把握、設備の更新見積、診断レポートの取得 |
申請支援 | 商工会、地元金融機関、設備メーカーからのサポートを受ける |
費用対効果の試算 | 投資回収年数、CO₂削減効果、ブランディング効果を数字で比較 |
まとめ:脱炭素経営を始めるあなたへ──印刷業界の中小企業が今できること
これまで見てきた通り、脱炭素経営は中小の印刷会社でも十分に実現可能であり、実際に動き出して成果を出している企業が増えています。
ここで、実践に向けて背中を押すメッセージを集約します。
- 脱炭素は「義務」ではなく「攻めの経営戦略」
脱炭素は単なる環境対策ではありません。コスト削減、ブランド価値向上、営業力強化、人材確保につながる「経営の武器」です。 - 「できることから始める」ことで、動き出せる
まずは電力使用量を把握する、LED照明に切り替える、再エネ電力プランを調べる。そういった一歩一歩が、確実に脱炭素への道をつくります。 - 事例が証明する「脱炭素=利益向上」の可能性
再エネ導入で売上が増加したり、カーボンオフセットで新規顧客を獲得した印刷会社も存在します。
“環境対応が選ばれる理由”になる時代です。 - 補助金や支援制度は「使ってこそ意味がある」
国・自治体の制度は、特に中小企業に優遇されています。
知っているだけでなく、申請してこそ実行力になります。 - ひとりで悩まず、外部の力を活用する
省エネ診断や専門家のアドバイスを無料で受けられる仕組みもあります。
社内にノウハウがなくても、動き出せる方法はあります。
「やらない理由」を探すより、「やれる方法」を考える。
それが、今このタイミングで脱炭素経営に踏み出す企業が選ばれる理由です。
印刷業界の未来に向けて、あなたの一歩を私たちも応援しています。