小学校へ環境をテーマにした特別授業をしてきました

「未来の担い手に、環境へのワクワクを届けたい」——そんな思いから始まった、ある小学校での特別授業。きっかけは、SDGsを学ぶ授業中に一人の児童が見つけたLIMEXでした。
そこから先生や関係者の熱意が連鎖し、急遽企画されたこの取り組み。
限られた準備期間のなかで、小学生に本当に届く内容を模索し、スライドの全面作り直しを決意。
子どもたちのリアルな反応をもとに再設計された授業では、驚きと笑顔があふれる時間となりました。
環境教育の最前線で得た気づきと、未来に向けた希望をお届けします。
開催の経緯
今回ご訪問した小学校の児童は、「総合」という科目の中で、SDGsや海洋プラスチックについて勉強されていました。
その授業の中で、1人の児童が環境対策の一つとして、弊社のLIMEXを発見しました。そしてここからが奇跡の連続。
▼参考:期限迫るSDGs(持続可能な開発目標)│現在の進捗について最新レポートを解説
LIMEXについてもっと詳しく知りたいと、熱心に担任の先生に相談
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児童の気持ちをなんとか形にしようと、真摯に向きあって行動した担任の先生
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担任の先生が相談した大学時代のご友人
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そのご友人の会社にプロダクトを依頼していたScopeXチーム
さらに、ご友人からご紹介いただいた教育新聞社の方
今回の特別授業を保護者の方にも参加のお声がけをしてくださった小学校の校長先生
そして、急なご連絡にも関わらず参加してくださった保護者の方々
このように、熱心な方々の素敵な行動がたくさん連鎖して、今回の特別授業が開催されました。
準備01_見えない顧客
普段の業務もあるなかで急遽決まったこの特別授業という企画。当日の内容については、LIMEXの話をする、ということだけ決まっていました。
その前後もふまえて45分間という時間で、何をどう伝えるか。開催日までの期間も短く、限られた時間で準備をしました。
そのため、過去につかった研修やセミナーの資料をピックアップして、小学生向けに分かりやすい表現にすれば大丈夫だろう、という考えでスライドを作成しました。
そしてリハーサルを通して気づかされる、「全く面白くない授業」という現実
・そもそも小学生ってどんなことに興味、関心があるの?
・45分間私が話し続けて大丈夫なの?
・小学生がワクワクするってどういう時?
・ワクワクしたらどんな状態になるの?
アラフォーになって初めて経験する顧客(小学5年生)を前に、疑問しか出てこないという状況。
迫りくる納期と、無情にやってくる通常業務。
今回の授業をきっかけに、一人でも多くの児童に環境について興味を持って欲しい、ワクワクして欲しい、ポジティブなイメージを持って欲しい。
そんな理想ばかりの熱い想いと、対象的な仕上がりになってしまったスライド。
しばらく葛藤した結果、
「やっぱり全部作り直そう」
開催日から3営業日前の判断でした。
準備02_顧客と向き合う
そもそも小学生って環境に興味あるのかな。
私が環境に興味を持ったのは大人になってからで、小学生の頃はミニ四駆やポケモン、ドラクエの話ばかりしていました。
・今の小学生の間では何が流行っているのだろう
・みんなどんなことに興味を持っているのだろう
・小学生が好きな趣味や娯楽と、環境対策とでは何が違うのだろう
・この距離を少しでも縮めることが出来たら、少しは環境対策にも興味をもってもらえるんじゃないかなぁ
妄想を膨らませるものの、顧客の解像度が低いため、いつまでも考えがまとまりません。
そこで思い切って、同じマンションに住んでいる小学生に話を聞いてみました。
(いつも4歳の息子と遊んでくれる子どもたち、協力してくれて本当にありがとう!)
・クラスでは何が流行っているのか
・人気のスポーツ、ゲーム、音楽、漫画
・授業はどんなことをしているのか
・環境についての授業はあるのか
・クラスメイトは環境に興味があるのか 等
この調査、本当にやって良かったです。
質問の回答ももちろん貴重な情報でしたが、一番の収穫は小学生と直接話ができたことで、ノンバーバル(非言語)の情報が得られたことでした。
これがとにかく新鮮で、顧客の解像度を上げるうえでとても重要なポイントでした。
話すときの仕草や表情、間のとり方、声のトーン、言葉遣いやそのときのテンションなど。
顧客(小学5年生)を知らないまま商談(授業)に挑んでいたら、間違いなく失注(全然ワクワクしない)していました。
顧客の解像度が上がり、ワクワクさせるイメージも具体的になったことで、スライドの作り直しも驚くほど早かったです。
当日

5年生3クラスへそれぞれ1コマずつ、計3コマお話をしてきました。
どんな授業だったのか少しだけ紹介します。
アイスブレイク
児童にLIMEX製の名刺を渡し、「それを破いてみてください」と伝えました。
「えーっ!?!?」
という驚きと高揚が混じったクラス中のザワザワ感。
夢中で名刺を破こうとするみんなの表情は、とても印象に残っています。
環境対策を身近に感じてもらう
環境対策を小学生の間で人気ゲーム(マインクラフトやスプラトゥーンなど)に例えてお話しました。
ゲームと環境対策について、こんな紐づけ方をしたのはおそらく私くらいだと思います(汗
メインテーマ
LIMEXの紹介をメインにはせずに、「みんなでLIMEXを使って新商品を開発しよう」というグループワークをメインとして追加しました。
小学生ならではの意見やアイディアがたくさん出てきて、大人もハッとさせられる場面も多くありました。
LIMEXの特性を活かしたアイデアは、子どもたちの創造力の豊かさを感じさせるものでした。
環境対策というと節電や節水のような「制限」というイメージが多いようなので、環境に良い商品を開発して、それをたくさん作ったり、たくさん使った方が制限するよりも楽しいよね、というお話もしてきました。
▼参考:環境問題に関心がある人必見!身近な脱炭素アクションで始める持続可能な生活
特別授業を終えて
授業をしながらふと、「今目の前にいるこの子たちが、日本や世界の未来を作っていくんだなぁ」と、感じたときがありました。
その瞬間、今私が話している内容はこの子達にとって本当にベストなのだろうか、限られた貴重な時間をもっと有効に使えたのではないか、という大きなプレッシャーが急に襲ってきました。
こどもという「未来の可能性」へ向けて、毎日授業の準備と実施をしている先生方の苦労は計り知れないと、強く尊敬しました。
嬉しいことにお昼も児童と一緒に食べることが出来ました。20年振りの給食、凄く美味しかったです。
給食を一緒に食べたクラスのモニターには、ウェルカムスライドが用意されていてとても感激しました。
そしてこのスライドは、児童がCanvaを使って作成したというから驚きです。GIGAスクール構想、羨ましい。

授業を振り返ると、もっとこうすれば良かった、あの質問はこう回答すればもっと分かりやすかった等、反省点がたくさん出てきました。
もし次の機会があれば、より良い内容をお伝えできることをお約束します。
最後に、今回の特別授業に携わってくださった皆様に、心より感謝申し上げます。
皆様のおかげで、子どもたちに環境問題の重要性を伝えることができました。
今後も引き続き、多くの方々と協力しながら、環境教育の普及に努めてまいります。
企業向けの研修やセミナーのご相談も受け付けておりますので、気軽にご相談くださいませ。
(伊藤:junkichi-ito@tb-m.com)
参照)
教育新聞社:プラスチックに代わる新素材!? 子供の興味に応え企業が出張
アクセルユニバース社 スタッフブログ「お客様の出張授業を見学してきました!」
