サステナブルを強みにした新時代の物流│「ほぼ人力!!」で実現する都市型配送の未来とは

株式会社エコ配
左)取締役 事業本部長 室星 直樹(むろほし なおき)
右)代表取締役社長 塚田 俊(つかだ しゅん)

現代社会において、環境への配慮はますます重要視されています。 特に物流業界は国のCO2総排出量に占める割合が多いため、排出量の少ない輸送手段に変更するモーダルシフトの動きも増えてきました。今後も持続可能な運送手法が求められるなかで、環境負荷を軽減する独自の取り組みを展開しているサービスが注目されています。

物流のあり方を変え、環境と調和しながらビジネスを展開する株式会社エコ配  代表取締役社長の塚田様に、これまでの挑戦と今後のビジョンについてお伺いしました。

目次

 都市環境に寄り添う新たな物流スタンダード

ーこれまでのご経歴と入社経緯について教えてください

新卒で物流不動産に特化して開発・管理等を行う会社である株式会社日本レップ(現グッドマンジャパン株式会社)へ入社しました。当時の物流業界は転換期を迎えており、古い倉庫の建て替えや、保管型からスルー型に切り替わるタイミングでした。主にファンド運営に携わっており物流業界の上流を見ていましたが、下流まで含めた全体像を把握したく、ラストワンマイルを実施しているエコ配へ入社しました。

 入社後は営業として大手企業のアカウントマネジメントを経験。次にエリアマネージャーをやりながら実際にクルー(配達員)もやることで、事業の現場感を学びました。その後は経営企画に異動して、今に至ります。

’ーエコ配が選ばれる理由とは

エコ配は2007年7月に事業を開始しました。社名の由来は「エコロジー × エコノミーの配達」から来ています。

物流業界としては後発の会社だったので、とにかく優位性や他社との違いを出すことに注力していました。その一つが低価格の追求です。
荷物は小さいもの(当時は80サイズ以下)に特化し、大型倉庫は持たずに都心に営業所をかまえ、車やバイクの代わりに自転車で配送することで、差別化をはかりました。

もう1つ重要なポイントは、エリアの絞り込みです。物流という仕事は首都圏を外れると、赤字リスクが大きくなります。大手企業は赤字エリアを黒字エリアで補填していますが、うちは黒字が見込めるエリアでのみ展開できる点も強みです。

このような努力のおかげで、例えば東京から大阪まで(100サイズ×翌日届け)の配送料は相場が1,000円のところ、エコ配はほぼ半額という価格を実現しました。それでも小さい荷物ばかりなので、積載効率は高く、容積当たりの単価も高くなります。

 他にもコスト削減のポイントとして、配送種類が極端に少ないというのもあります。他社であれば、運賃がサイズ別、重量別に分かれていたり、メール便、冷蔵冷凍便、大型便、トップ便(速達)等、多くの配送手段を用意していますが、これだと経理も含めた管理費が凄くかかるんですよね。ここの固定費が低いのも低価格が実現できている要因の一つです。

 全てが大きい荷物とは限らなくて、中には、小さい荷物を送りたい人もいます。弊社はその想いを叶えるためにも小荷物に特化しました。

 ー事業が軌道に乗ったタイミングはいつ頃でしたか?

サステナビリティの観点で言えば、外資系企業からの依頼が増えましたね。環境ニーズか強いため、うちとしては追い風になりました。最近だとコンペの条件に「環境」が入っているケースもあり、優位性を出しやすいです。使われる側としても、エコ配を使えば加点になるため選ばれやすいというのは感じています。

 EVはバッテリーの製造や廃棄でCO2を出している、充電する電気も再生可能エネルギーでないと意味がない。その点、自転車はCO2がほとんど出ていない。よく配達手段に軽自動車を勧められますが、首都圏であれば自転車の方が早いし、安いし、効率がいいです。これは自信を持って言えます。

 あとは物流業界全体に言えることですが、コロナ禍によるEC需要増加も、事業が大きく伸びる要因の一つでした。

ー配送手段が自転車だと、配達人員も必要なので採用も大変ではないですか?

実はこれが逆なんです。今の時代は車を持っていないだけでなく、免許を持っていない人も多いんですよ。だからドライバーを確保するよりも、自転車のクルーを採用する方が、採用の負担は少ないです。うちは基本正社員ですが、ギグワーカーもOKですし、副業もOKです。高校卒業したらすぐにできる仕事なので、働き方にも柔軟性を持たせています。

株式会社エコ配 新橋店クルーの方々

 ※新橋店クルーの方々

持続可能な物流に向けて、CO2削減と共に進む成長戦略

ー今後の展望について教えてください

これからもCO2を極力出さない配送を推進していく予定です。東京23区の例だと、山手線の外側は全て軽自動車で配送しておりますが、順次自転車に切り替えてCO2排出量ゼロを目指していきます。同様に、当社で販売している資材についてもLIMEXをはじめとする環境負荷の少ない原材料へ変更していくことを計画しております。また、当社が都心部に強いのと同様に、地域で強い会社様がありますので、そういった会社様と協業し、お客様の利便性の向上にも繋げていければと考えております。

 将来的には当社でのカーボンクレジットの発行、もしくは荷主様が当社を利用してCO2排出量の削減をすることが、脱炭素の取組みとして公式なIRが出来るレベルまで、制度として確立させることができないかと考えています。今のルールではまだ難しいですが、これだけCO2排出を抑えて事業をしているので、かたちにしたいですね。

 会社の電気を全て再エネに切り替えることも検討しています。サービスだけでなく会社としても環境への取り組みを進めていきます。何をもって「エコ配」なのか、今後も考えて経営の判断をしていくつもりです。2011年の復興支援では、商品を買ってもらうと津波で流されてしまった土地に黒松を一本植えるというキャンペーンもしていたので、そういうイベントもまたやりたいです。

 コロナ禍では、抗原キットを当日届けてほしいという相談をいただいたこともあります。そういった緊急事態や、災害でインフラが途絶えたときでも、自転車であればお役に立てると思います。

 「エコ配」というサービス名もあって配送の印象が強いと思いますが、他社様同様、集荷サービスも実施しております。日本全国、海外向けの配送も協力会社様と連携して可能です。お荷物一つから集荷にお伺いしますので、ぜひご活用ください。

【塚田様の脱炭素ルーティン】
買い物はマイバッグを使いますし、ビニール袋であれば1度で捨てずに複数回使うようにしています。あとはゴミの分別、お風呂の水を再利用する、食品のロスを無くす、こまめな節電や冷房の設定温度をなるべく高めにしたり、このへんは普段から実践しています。

▼お問い合わせはこちら
エコ配HP:https://www.ecohai.co.jp/
CO2削減活動に関して:https://www.ecohai.co.jp/company
新規のお客様向けお得なサービス!:https://www.ecohai.co.jp/area_tokuwari

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