動物(人間含む)の呼吸で発生するCO2について

人間も勿論ですが、動物は生体活動を行う上で呼吸やげっぷなどで温室効果ガスを排出しています。

特に有名なのが、牛のげっぷによる温室効果ガスの排出で気候変動に関する議論でしばしば取り上げられる重要なトピックです。
牛をはじめとする反芻動物(羊、山羊、鹿など)は、消化プロセスの一部としてメタンガスを排出します。

このメタンガスの排出は主にげっぷを通じて行われ、これが気候変動に与える影響が注目されています。
影響が大きいことからも、牛からのメタン排出を減らすためには、様々なアプローチが試みられています。

▼参考:メタンとは? | 温室効果ガスとしての特性と削減策を解説

飼料の改良、消化を助ける添加物の使用、遺伝的にメタン排出量が少ない牛を育成する試みなどが含まれます。
また、より持続可能な畜産方法へのシフトや消費者の食生活の変化も影響を与える可能性があります。

本記事では、上記のように取り上げられている牛のげっぷではなく、動物の呼吸から生じる温室効果ガスに焦点を当てて見ました。

目次

様々な動物から排出されるCO2

・ヒト

成人は一日に約1キログラムのCO2を呼吸によって排出します。

牛は特に反芻動物として、一日あたり約200〜300リットルのメタンを放出することが知られていますが、CO2に換算すると、これは約440〜660キログラムCO2e(二酸化炭素換算値)に相当します。

馬は一日あたり約50キログラムのCO2を排出するとされます。

(中型犬の場合)

中型犬は一日に約20キログラムのCO2を排出します。

ネズミ

ネズミは小さな体サイズのため、一日あたりのCO2排出量は約0.18キログラムです。

アジア象やアフリカ象などの大型動物は、一日あたり約300キログラムのCO2を排出する可能性があります。

シロクマ

シロクマのような大型の肉食動物は、一日に約290キログラムのCO2を排出すると推定されます。

シャチ

大型の海洋哺乳類であるシャチは、一日に約200キログラムのCO2を排出することがあります。

カンガルー

カンガルーは比較的少ないCO2を排出し、一日あたり約8キログラムのCO2排出が見込まれます。

ハト

小型の鳥類であるハトは、一日あたり約0.12キログラムのCO2を排出します。

キリン

キリンは一日に約75キログラムのCO2を排出する可能性があります。

ゾウアザラシ

ゾウアザラシのような大型の海洋哺乳類は、一日に約220キログラムのCO2を排出することがあります。

ペンギン

キングペンギンのような中型の鳥類は、一日に約0.5キログラムのCO2を排出します。

・リス

小型の哺乳類であるリスは、一日に約0.01キログラムのCO2を排出すると推定されます。

オオカミ

オオカミは一日に約40キログラムのCO2を排出するとされています。

コアラ

コアラは比較的少ない活動量のため、一日に約0.5キログラムのCO2を排出すると推定されます。

ワニ

ワニは低代謝動物であり、一日あたり約10キログラムのCO2を排出する可能性があります。

アルパカ

アルパカは一日に約30キログラムのCO2を排出するとされています。

ツバメ

小型の鳥類であるツバメは、一日に約0.04キログラムのCO2を排出します。

ヘビ

ヘビは非常に低い代謝を持つため、小型のものであれば一日に0.005キログラムのCO2を排出すると推定されます。

ライオン

大型の肉食動物であるライオンは、一日に約50キログラムのCO2を排出すると推定されます。

イルカ

イルカは比較的大きな海洋哺乳類で、一日に約30キログラムのCO2を排出することがあります。



カメレオン

小型の爬虫類であるカメレオンは、一日に約0.01キログラムのCO2を排出します。

フクロウ

フクロウのような夜行性の鳥類は、一日に約0.3キログラムのCO2を排出すると推定されます。

ビーバー

アクティブな草食動物であるビーバーは、一日に約15キログラムのCO2を排出します。

※各動物がどのようにしてその生態系内でCO2を排出しているかの一例を示しています。
動物ごとの正確な排出量は、その動物の活動量、体重、食性に大きく依存します。

具体的な研究データに基づく正確な情報が必要な場合は、専門の環境学または生物学の研究を参照することが推奨されます。

まとめ

私たち人間を含む動物は、生きるための呼吸そのものがCO2を排出する行為であり、自然界における炭素循環の一部を担っています。

特に牛などの反芻動物は、呼吸に加えて消化過程でメタンを排出するため、気候変動において重要な論点となっています。
本記事では、ヒトや犬のような身近な動物から、象・シャチといった大型動物、さらにはハトやリスのような小動物まで、多様な生物が日常的にCO2を放出している実態を紹介しました。

数値は体重や代謝、食性によって大きく異なるものの、すべての動物が何らかの形で温室効果ガスの循環に関わっている点は共通しています。
温室効果ガス削減というと産業やエネルギー政策に焦点が当たりがちですが、生物活動がもたらすCO2やメタンの存在を理解することは、気候変動をより立体的に考える上で欠かせません。

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