「誰一人取り残さない世界」を目指して│地方から全国へ奔走する環境コンサルタントが選んだCO2算定サービス

株式会社RE諏訪湖
代表取締役社長 元木 誠
世界的なSDGsの流れを受けて、環境コンサルタントへの問い合わせも急増している昨今。その忙しさは首都圏だけではなく地方でも同様のようです。今回は、地方企業をサポートするために全国を奔走する環境コンサルタント、株式会社RE諏訪湖 代表取締役社長の元木誠様へインタビューをさせていただきました。ScopeXの販売パートナーに参画された背景や、お客様へ提案して感じた手応えについてお話しいただきました。
温暖化への危機感と使命感│環境事業へのコミット
ーこれまでのご経歴や創業の背景について教えてください
ITの専門学校(Window95が出る前の時代)を卒業し、新卒では地元の広告代理店で営業をしていました。当時のお客様に、環境について詳しい方や、会社として環境対策へ積極的に取り組んでいる経営者の方がいたため、仕事をしながら環境業界の話は自然と入って来ました。祖父は製造業の経営者で、両親も自営業をしていたので、私もずっとサラリーマンでいるイメージはなかったです。将来的には独立したいと思っていました。
ー環境業界に興味を持ったきっかけを教えてください
自然豊かな長野県で生まれたので、学生時代の趣味はスキー、スノボーといったウインタースポーツがメインでした。ところが小学生くらいから雪の量が減ってきたり、冬には一面凍っていた諏訪湖が凍らなくなったり、生活する中で温暖化を感じる部分がありました。また、スーパーコンピュータの地球シミュレーターで、地球に住めなくなるという映像を見たことがあり、そのときに強い危機感と、何とかしないといけないという使命感がありました。ちょうどアル・ゴア元米副大統領が環境について話していた時期です。
環境に興味を持つようになったきっかけはいくつかありますが、一番は諏訪湖が汚れてきたことです。祖父から聞く話と、自分たちが今見ている諏訪湖のギャップがとても大きくて、なんとかして守らないといけないという気持ちになりました。その強い気持ちを持ったまま、25歳のときに環境事業で独立。諏訪湖が汚れている原因の1つに強い農薬が流れ込んでいたということもあり、はじめは有機農法(無農薬)の拡大を事業としていました。長野県にある農業実践大学で、牛糞の臭気問題について1年以上研究していた時期もありましたね。

ー事業の転機はいつでしたか?
2011年は大きな転機でした。知り合いから手伝ってほしいと言われて、木質バイオマス発電事業を始めたのですが、この背景には東北大震災があります。震災で亡くなった方のうち、津波でも地震でもなく、停電による病院死が6000人以上もいたという事実を聞いて、とてもショックでした。同時に電気の重要性を改めて感じました。震災以降、FIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)の導入もあり、世間は太陽光発電ブームでしたが、それでも人は守れません。木質バイオマスであれば24時間発電できるため、太陽光ではなく木質バイオマスを事業に選びました。はじめはバイオマス発電について知るために、発電現場のオペレーター業務もしていました。
バイオマス発電を設置するには、自治体や森林組合等、多くの団体とも連携を取る必要があり、このとき繋がった方が今のお客様になっているケースも多いです。
製造業の経験と環境への情熱で地方企業の未来を描く│ScopeXとの提携
ーScopeXの販売パートナーに参画した背景を教えてください
ScopeXを知ったきっかけは、お客様からのご紹介です。2020年9月(菅義偉元総理の脱炭素宣言の1ヶ月前)に、社団法人(諏訪広域脱炭素イノベーション協会)を設立しており、その会員様向けに提案できる環境対策サービスを検討していたときでした。
一番の決め手は、ScopeXがIT会社ではないところです。バックボーンに自社の工場を持っていて、ものづくりをしている会社だったという点は大きいですね。サービスを使う側のニーズが分かっていると思いました。バイオマス発電の提案は現場業務を知っているからこそできる業務なのですが、CO2の算定もその通りだと思うんですよね。TBM様も製造業として自社の算定をしているので、社内のデータ収集の大変さや、サプライチェーン算定の考え方、担当者の苦労について知っている、算定の現場を理解してくれているという安心感がありました。そこはお客様へ提案するうえでも、説得力になるケースはありますね。
他社のお話も聞きましたが、どこも導入コストが高いため地方の中小企業様に提案できるイメージがつきませんでした。
ーご提案したお客様がScopeXを選んだポイントはどこだと思いますか?
今回導入したお客様は、もともと私が環境コンサルタントとして入っていたので、環境対策への意識も高かったです。お客様としてはExcelで算定する予定だったのですが、算定ツールを入れないと自社での継続性や算定の再現性は難しい、という話になり、そこからツールの導入検討が具体的になりました。
お客様がScopeXを選んだ理由は大きく3つあると思っています。
・算定についての細かいフォロー
・システム改善要望の柔軟な対応
・導入しやすいコスト
はじめはコストの話が多かったのですが、最終的には細かい質問やシステム改善要望の対応等、サポートの部分で信頼感をもって選んでくれたように見えました。
ー今後の展望について教えてください
これまでは脱炭素についての意識醸成がメインでしたが、今後は具体的なCO2削減施策や、再エネのソリューションに注力していきます。
バイオマス発電のほかにも、ソーラーカーポート(車庫へ太陽光パネル設置)や、V2X(Vehicle to Xの略。車両と様々なものを連携させる技術)、ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)なども視野に入れています。あとはバイオ炭にも注目しています。人間の力で炭素貯留できる仕組みなので、バイオ炭装置の普及やバイオ炭自体の販売(製鉄所や電力会社など)も検討しています。ご提案するエリアは特に絞っていないですね。長野県に住んでいるためどうしてもそこがメインになりますが、需要があれば全国どこでも提案しにいきます。

【元木様の脱炭素ルーティン】
食器洗いや洗濯、お風呂で使う洗剤は全て生分解性のものにしています。私の場合、創業の背景が諏訪湖の美化だったこともあり、水への意識は他の人より強いと思います。エシカル消費(ここでは環境負荷の低い商品の購入のこと)も習慣になってきましたね。最近だとワインは100%太陽光エネルギーで作られたものに切り替えました。あとは徒歩や自転車での移動時間を増やせるように、体力づくりでランニングも始めました。
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株式会社RE諏訪湖ホームページ:http://re-suwa.com/