再生材を作っている自社から「日本のCO2排出量削減に貢献」、国内資源循環促進に掛ける思い

有限会社サントトレーディング
専務取締役 鈴木和洋
サントトレーディング社では硬質の廃プラスチックをメインに取り扱われているかと思うのですが、このビジネスを始めたきっかけを教えてください。
私の父が会社を創業し、元々は自動車部品を選別して再建業者へ受け渡すビジネスをメインとしてきたのですが2009年頃に「廃棄プラスチックの再生をやってみないか」とお声がけ頂きました。それが今のビジネスの原点ですね。
当時は全く廃棄プラスチックの知識がなかったので、最も廃棄プラスチック業が盛んだった中国まで渡り一から勉強しました。そこでプラスチックの種類、物性、相場変動など様々な知識を学んだ後、帰国して原料となるありとあらゆる廃棄プラスチックを集め、粉砕機とトラックも導入して本格的に再生材作りのビジネスを始めました。
市原(サントトレーディング本社所在地)では数多くの競合他社もいるかと思うのですがどのような差別化をさせれているのでしょうか?
再生材ビジネスを始めた当初は中々うまくいかず、廃棄プラスチックであればとにかくなんでも集めておりました。ですが規制なども厳しくなり、さすがになんでも取り扱うことは難しくなり、2020年頃に関東で特に多かった硬質プラスチックを集中して集める方針にしました。
その中でも新しく高速が建てられたり、物流の拠点ができる時によく使われている廃棄プラスチックパレットをメインに取り扱う方針にしたので他社とうまく差別化することができましたね。自社トラックを使って柔軟な集荷日程の調整などがお客様から喜ばれている差別化ポイントです。
再生材業界では、CO2算定サービスの導入はかなり先進的な取り組みだと思うのですが、導入しようと思った背景は?
理由は2つありまして、一つは国内での資源循環ビジネスが増えてきていること、2つ目は個人的にも環境対策をしたいと思っていたことですね。
再生材ビジネスを始めた時、国内から廃棄プラスチックを受け入れ、また国内で使ってもらうような事例が少なかったのですが今では約5割が国内の中で使われるようになりました。そして昨今、再生材を使いたい企業様ではコスト以外にも、原料作りのCO2排出量はどれぐらいか、原料を作っている企業は環境に配慮しているのかなどの情報が販売先に求められるようになりました。

そこで弊社ではまず自社のCO2排出量を算定し、どこで最もCO2排出量があってどうすれば削減できるのか検討していこうと思ってCO2算定サービスを活用しようと思いました。
また個人でも環境問題に関心があり、現状の再生材作りのプロセスは環境に配慮できているのか?
もっとやれることはないのか?
と考えていました。小さい会社ではありますが日本全体のCO2削減にできる範囲で努力することはすごく大事だと思っております。1つでも2つでもより多くの環境問題対策に取り組めるなら自分たちが作っている再生材原料にも新たな付加価値が生まれると信じております。

(左:営業担当 鈴木氏、右:営業担当 本間氏)
一人ではできないことでもみんながやれば世界の現状は変えられます。CO2算定結果を社員たちにも公開し、みんなで協力しあってできることからCO2削減をやっていきたいと思っております。
CO2算定サービスも今はたくさん出ていますが、その中でScopeXをお選びになった理由は?
元々TBMさんとは、廃棄プラスチックのビジネスでのご縁でScopeXをご紹介頂きました。構想段階から機能の説明や、ScopeXで実現できることを説明頂いていたので、これはもっとたくさんの人にいい製品として届けれるように一緒に育てたいなと思って導入しました。
正直今すぐじゃなくても良いのですが、今年やらないことはおそらく来年もやらないので最初はデータ集めなど大変な作業もありますがScopeXの担当者が現場まで足を運んでくれてサポートしてくれているので安心して始めれました。
ScopeXだとCO2算定だけではなく、削減施策も提案される機能があるのでScopeX含むTBM全体の今後の発展にも期待しております。
【鈴木様の脱炭素ルーティン】
仕事柄、工場内ではもちろん、プライベートでも食器トレイや、ペットボトルなどはしっかり洗って、分別してリサイクルしております。また本社兼工場の敷地内は環境と従業員の健康も考慮してエアコン設定温度についても徹底しております。